まとめ作業や組計整理・当努整理などあれこれ頭の中を整理しながら過ごした。
poster
属性}{書かれていなかった}{添付譜類埋め込み}(40)取り急ぎテンプレートを整理して,輪郭ページの吊るし輪郭を入れていた要素を <header>
から <main>
へ,輪郭ページの輪郭一覧を <main>
から <div>
に切り替えた。前後景一覧ページでは従来通り。
特に急ぎたかった部分が上手く片付き,残るは内部的な問題のみなので,輪郭ページ改良はここで中断することにした。
閲覧専用模動の実験をしていた時,輪郭ページの輪郭一覧を隠すと <header>
だけのページになってしまうことに気付いたのが事の発端だった(15日14歩)。
あまり意識してこなかったが,輪郭ページの概念と実装に大きな不一致が生じていた。一時凌ぎのつもりで後景一覧ページを輪郭ページに使うようにしたのはデライト離立補完中の希哲14年8月5日だった。当時と今とでは輪郭ページの捉え方も輪郭の充実度も全く違う。
予てから検索模動・輪郭模動の内部的な切り分けが中途半端なまま進んでいない問題もあったため,抜本的な輪郭ページ改良の方針をまとめた(17日8歩)。
最近の検索演心はそこまで神経質ではないと言っても,<header>
と <main>
の違いは流石に小さくないだろう。何より,気付いてしまうと表現として気持ち悪いので早く解決したかった。
当初,輪郭ページの輪郭一覧には <aside>
を使うつもりだったが,すでに広告で使っていることに気付いた。入れ子にしていいものなのか判然としない。<footer>
も違和感がある。後景一覧が重要な場合も多々あるので,無難に <div>
にしておいた。要素名に依存する交度は排除したため変更は容易い。
将来的には描写内容や後景輪数などで細かく切り替えてもいいかもしれないが,今はこれくらいで十分だろう。
まず,吊るし自輪郭の中後景線の太さを2pxから3pxに変更した(調整前・調整後)。輪郭一覧で自輪郭は2px,他輪郭は1px,吊るし他輪郭は2px,新規描出フォームでは中景線2px(点線を目立たせるため)・後景線1pxという設定だったが,これは良いばら成しなので現状維持とする。
輪郭ページ改良の作業途中,装体が崩れ吊るし輪郭と一覧の輪郭が同じ大きさで表示されることがあった(ともに自輪郭)。この時,微妙な違和感を覚えた。何となく中後景線の太さを変えていた気がしたが,同じ2pxだった。
奇しくも先日,一覧の輪郭と吊るし輪郭が見分けにくいという相談を受け,あれこれ考えていたところだった。個人機で使っている分には横幅の違いで見間違えることは考えにくいが,確かに,たまにスマホで見ると感覚的に区別しにくいという問題があった。ただ,よく見ると区別出来る要素はそれなりにあるので,これ以上何かを加えるというのも難しいと感じていた。横幅に大きな差を付けるわけにもいかなかった。渡りに船とはこのことだ。
吊るし輪郭の中後景線の太さはだいぶ前に色々いじり,3pxや4pxも試したことがあった。ただ,その時は必要以上に重々しく見えるというような理由で2pxくらいに留めた気がする。はっきり覚えていないくらいだから感覚的だったのだろう。今試してみると,全然悪くない。要素が増えたりしてばら成しが変わったのかもしれない。他人に見せるには大袈裟だが,自分向けの装体なので分かりやすければいい。
その他,画面幅によって輪郭選り手のボタン類の位置が微妙にずれていた問題,吊るし輪郭と輪郭一覧の間が詰まり過ぎていた問題など,こまごまとした問題を解消した。
体調は持ち直したが,考え事が多かった。というより,ここ数日の脳疲労の一因がこの考え事にあることに気付いた。
10月から長期戦態勢に転換し,時間に追われることなく悠々自適な生活を送っていたが,第三次快調期といっていい最近のデライト開発で,また危険な欲が出てきている。
デライトが進歩すればするほど,更なる進歩のための時間が欲しくなる。時間を捻出するための金も欲しくなる。とにかくこの疾走感を失いたくない,という感情が日毎高まっている。そして,今のデライトにはすぐにでも完全な成功を果す力がある,という期待感もまた日毎高まっている。
一方でこれは,希哲館事業を危険にさらす衝動でもある。このまま悠々自適な長期戦態勢を維持すれば,いつになるかはさておきデライトの完全な成功は確実に果せるだろう。しかし,それを希哲館事業の理想の実現に繋げるためには,やはり早さが必要になる。冒険を避けていては,その可能性が時間とともに失われていく。
希哲館事業にとっては,急いても待っても崖っ縁だ。無理をしてもいけないが,悠長に構えていてもいけない。ここ数日,激しいせめぎあいが続いていた。
一刻も早い希哲館事業の成功のために全てを賭けるか,確実な成功のために危険を徹底的に排除するか,という両極端な思考に陥いっていることに今日ふと気付き,「ばら成しを取る」という選択肢が見えてきた。最低限の安全網は確保しつつ,しっかり冒険もする,という道を探ることにして,ようやく気持ちが落ち着いた。
昼頃,希哲荘の古い給湯器がついに壊れて湯が出なくなった(整清記録)。
最初は,この忙しくて寒い時期に,と少し腹が立ったが,17年以上持ち堪えたかと思うと,だんだん感謝の念が湧いてきた。希哲館事業のために,色々な物や人に無理をさせてきたんだなと感傷的になったりもした。
そんな気持ちが通じたのか,深夜になってなぜかまた湯が出るようになった。新しい給湯器が来るまで持ってくれれば大助かりだ。
一応,給湯器が使えなくても何とかなるように対策は講じておいた。久しぶりの非常事態で,あれこれ試行錯誤するのもちょっと楽しかった。
領下手定め環境で概ね問題なさそうだったため,新生全知検索整備の中間出振るいに踏み切った。首尾良く完了し,大成功だった。これにより後縁も最新の状態で同期され,自由自在な開発体制を取り戻した。
21時30分出振るい作業開始。断帯は21時30分から約5分。23時頃までには一通り点検・不具合修正を終えた。
その後,動作は極めて安定している。dg_fnd()
への輪数取得処理組み込みは今回初出振るいとなるが,高速化効果は,毎回輪数計算が必要になる場合の検索で数十ms(求頼1回分)の短縮なので体感速度向上はあまり期待していなかった。しかし,意外と検索時の軽快感が増している気がする。最初はプラセボ効果に近い開発者心理かと思ったが,自分の全知検索歴と検索頻度を考えれば感じ取れてもおかしくはない。嬉しい誤算だった。
安心して後縁に手を入れられるようになったので,手始めに,輪符が生成する輪結で,第零番節付き知番がそのまま輪結先などに反映されてしまう問題を修正した。
これにより,輪符の知番が K#9-XXXX/A-YYYY
と記述されていても,輪結先は第零番節の削除をした /?fg=KNo.XXXX/YYYY
や /KNo.XXXX/YYYY
となる。第二次知番改良を経て司組が生成する知番はこれで統一するようになったが,デラングでは大量にある第零番節付き輪符が第零番節付き輪結を生成していたため,クロール効率への悪影響が懸念された。出与え属性を通して輪郭小窓の知番表示にも反映されていたため,用合い上の問題もなくはなかった。
とりあえずは量が多い基本形の輪符と重い強調輪符でのみの対応。
ついでに,再置換問題などで混乱していた時期にいったん無効化していた知番単独での輪結化も復活させた。知番接頭子の越化参照化で上手く行った。
装体は基本的に URL と同じにしたが,文字サイズは0.9emでも若干小さく感じるため1emのままにしておいた。
16日の開発の「写し取り機能によるがたつき不具合修正」が間違っていたため再修正。
17日あたりから Mac 版 Safari で写し取り機能が働かないという不具合報告を受けて調査したところ,iOS 版 Safari でも働いておらず Safari 共通の問題だったことが判明した。iOS 版 Safari では手定めしたつもりだったが,貼り付け手定めまでしていなかったらしい。
16日の開発での修正が原因であることは明らかだったため,いったん修正内容を取り消し12時20分頃には復旧。改めてがたつき不具合の調査に入った。
当初,一時的に使う入力要素の高さによる問題と誤認して height: 0
にしたが,これが Safari の制限にかかったか(height: 1px
などでも変わらず)。そもそも position: fixed
にしているので高さでがたつくとは考えにくかったが,Safari 固有の描画バグかなにかだと思っていた。
よくよく観察してみると,このがたつきは要素の描画というより,入力要素捕活時の小さなスクロールによるものらしかった。ただ,手持ちの iPhone 7 では,非 PWA の Safari 縦向きで全知検索窓が画面に入る位置でしか再現しなかった。PWA や横向き,LambdaTest の iPhone 12 ではそれらしい挙動はみられず,特定条件下で Safari のウィジェットと干渉しているような気がした。
こうなるとどこまで普遍的な現象か分からないので諦めかけたが,そもそも一瞬とはいえ入力状態に入るのが間違いということに気付き,捕活時は読み取り専用にしてみたら再現しなくなった。結果的に,おまじないのようなものよりずっと理に適った解決策が見つかって良かった。
現状「コピー完了」は写し取り処理実行後,無条件で表示されるようになっているが,これが手定め時に間違った安心感を与えていたのは反省点だ。不具合を除いて写し取り自体の違了は極めて稀であり,失敗したとしても再試行コストは限りなく小さいため実用上の問題ではなかった。
写し取り機能の手定めでは貼り付け手定めまでするようにしていたが,16日の開発ではあれこれ細かい作業をしていたので抜けてしまった。「コピー完了」を確認した時点で安心してしまったのだろう。
この作業で久しぶりに LambdaTest を使った。また定期的に舞覧手定めの時間を作りたい。
待っ読小窓にも輪郭一覧動的更新で消えない問題が残っていたため修正。出振るい済み。
第二次知番改良,第零番節の削除,dg_kno_vac()
修正。
dg_kno_vac()
や周辺交度の整理,出場の整理は劇的に進んでいるが,あれこれ考え事も多くなり,明日の早朝出振るいは断念した。
作業中に輪数取得改良の方針が固まり,関連する新着確認機能などの実装イメージも急速に固まってきた。出場周りの見通しの悪さは輪郭削除や暗証語再設定など危険な機能実装の障害になっていたが,それも払拭出来た。
何より,「新括体採番法の完成」という意義があることに気付いた。実装こそ中途半端に放置されていて最初は頭を抱えたが,しっかり整理してみると,やはりこれ以上見通しが良く効率的な採番法は無いことが分かる。新括体採番法もデライト開発における大きな発明だったことを再確認した。
デライトには「使い方」というページがあるのだが,これは最初の頃からまともに更新出来ていない。デライト開発もありがたいことに快調で,いちいち更新していられないほど変化が激しかった。このあたりも近日中に刷新するので,もうしばらくお待ち頂きたい。
もっとも,多くのデライト初心者が躓いているのは,細かい操作方法というより,どういう考え方で使っていくものなのか,という所なのではないかと思う。デライトで躓きやすい「使い方の考え方」について,このあたりで少し補足しておきたい。
デライトは風変わりで慣れが必要なものではあるが,特に難解なものではない。開発者の力不足による不親切さは多々あるものの,あくまで誰でも使えるものを目指している。まずは,ちょっとしたゲームのルールを覚えるつもりで読んでもらいたい。
デライトは,個人の知識をよりよく育て,生活の様々な場面で役立ててもらうためのサービスだ。それを突き詰めた結果として,互いに入れ子に出来る「輪郭」という単位で情報を扱う仕組みを持っている。
ここでいう「輪郭」というのも,まずはごく普通の言語感覚で理解してもらえればいい。ある物事の全体を取り囲むもの,という意味だ。もっと具体的にイメージしたければ,手で輪っかを作り,目に見える風景の一部分を切り取って見てほしい。写真の構図を考える時などに似たことをよくやるが,その時に手で作っている輪っかは,世界のある部分の輪郭だ。
その輪郭を,自由に“保存”出来たらどうだろうか。輪郭の中にまた輪郭を作ることも出来る。一つの輪郭は,他の無数の輪郭を含むものであると同時に,他の無数の輪郭に含まれるものになる。そのようにして,“世界を捉える”ことは出来ないだろうか。さらに,この考え方をコンピューティングに応用することで,従来の情報管理が抱えていた問題を解決出来るのではないか。ここからデライトの輪郭という仕組みが生まれた。
例えば,ファイルをフォルダ(ディレクトリ)という入れ物で分類管理する仕組みは広く使われているものの,人間が頭の中で扱っているようには情報を扱えない。一つの物事をどこに分類するかは,見方によっていかようにも変わりうるからだ。これは,一つの情報を一つの入れ物に所属させるような「階層構造」一般の問題(こうもり問題)としてよく知られている。
他方,こうした問題を解決するため,より柔軟な「ネットワーク構造」(グラフ構造とも)を利用した仕組みも広く使われている。Wikipedia などで利用されているウィキはその代表例だ。ウィキは,ウェブのハイパーリンクという仕組みを最大限に活かし,縦横無尽にリンクを張り巡らしながら情報を整理出来るように設計されている。しかし,こうした技術も万能ではない。柔軟な分,散漫・乱雑になりがちで,焦点を絞って情報をまとめることには向いていない。
輪郭による「輪郭構造」なら,両方の利点を上手く共存させることが出来る。輪郭はいわば「宙に浮いている輪っか」なので,階層構造を持つフォルダのような入れ物とみなすことも出来るし,輪郭同士の関係はネットワーク構造のように柔軟だ。以前適当に作った雑なものだが,下図を見ればなんとなくは分かるかもしれない。
一般に,階層構造は少量の情報を明確にまとめることに向き,ネットワーク構造は多量の情報を緩やかにつなげることに向く。
ウィキなどで作られる情報のネットワーク構造は,しばしば,脳の神経細胞群が作る構造に似ていると言われる。情報同士のネットワーク状の結び付き,という大きな括りではその通りだ。しかし,脳はただ漫然とネットワークを広げているわけではない。脳科学・神経科学でも,神経細胞の結び付きには強度差があると考えられている。つまり,脳は優先順位を整理しながら情報をつなげている。「輪郭」を使ってデライトが再現しようとしているのは,この「まとめながらつなげる」脳の機能だ。
進化の観点から考えれば,動物の脳は,環境に合わせて情報を蓄積し,状況に合わせて有用な情報を素早く引き出せるように出来ていなければならない。もちろん生存のためにだ。どれだけたくさん情報を蓄えられても,必要な時に上手く引き出せなければ意味が無いわけだ。大昔から限界が知られている階層構造が,それでも必要とされ続けているのは,情報に優先順位を付けて整理していく,という脳の機能がとらえやすい構造だからだ。
個人知識管理(PKM)の分野でも,ネットワーク構造を活かしたウィキと並んで,階層構造で情報を整理していくアウトライナー(アウトライン プロセッサー)と呼ばれるものがよく使われている。非常に興味深いことに,この二つを抱き合わせたツールが近年のトレンドの一つだ(Roam Research,Obsidian など)。
脳の進化を追うようにツールも進化しているが,デライトが革新的なのは,既存の仕組みを抱き合わせるのではなく,全く新しい一つの仕組みで脳の機能を十分に再現しているからだ。慣れた利用者にとっては,その単純性がこれまでにない直感性につながる。同時に,初心者には分かりにくさの原因となってしまっている。
デライトは,“人間が触りやすいように”脳の機能を再現することに,どのツールよりも徹底したこだわりを持っている。人の脳は,長い長い進化の過程で無数のテストを通過してきた,情報処理ツールのお手本だ。その脳を使って活動している人間にとって,最も直感的に扱えるのは最も脳に似ているツールだ。そして,保存・検索・共有といった部分での脳の弱点を機械が補えば,これまで不可能だったような高度な知的活動が可能になる。
デライト上に流れている無数の輪郭が,いわば「脳のログ」であることを理解すると,初心者を面食らわせてしまっている部分の多くも理解しやすくなるのではないかと思う。
公開されることもあって,どのような内容をどのくらいの頻度で“描き出し”していいものなのか分からない,というのはデライト初心者が抱きやすい感想だろう。この点においてデライトは,活発なチャットやマイクロブログ(Twitter など)の速さで投稿(輪郭)が流れていくイメージで設計されている。それも,「廃人」達の独り言で埋め尽くされているチャットのような状態を想定している。脳のログならそうなるはずだからだ。
デライト上には,一見意味不明な輪郭も数多くある。脳のログだと考えれば,これもむしろ自然なことだと言える。デライトは,“綺麗に整えたメモ帳”を見せるためのサービスではない。頭の中にある情報を,ありのままに可視化することに意味がある。他人の輪郭を見るということは,他人の頭の中を覗いているようなもので,めまいを覚えるなら正常なのだ。
それでも,ちょっと気になった他人の輪郭から良い刺激が得られることは珍しくない。自分の輪郭を他人の輪郭を絡ませることも出来るので,デライトでは面白い知的交流が日々生まれている。疑似的に再現された脳同士が対話しているわけで,これは疑似的なテレパシーと言えるかもしれない。
新しい順に輪郭が並んでいるのも,もちろん脳のログだからだ。先日の一日一文でも書いたように,デライトは,Twitter のようなマイクロブログにも似ている。そして,マイクロブログはしばしばメモツールとして利用されている。これは,時間軸に沿って記憶を辿るような脳の機能に似ているからだ。
デライトでは,マイクロブログ感覚で思いつくままに輪郭を作り,時にはウィキのように,時にはアウトライナーやマインドマップのように,“まとめながらつなげていく”ことで「脳のログ」を可能にしている。
例えば,釈迦,孔子,ソクラテス,キリスト……あるいはカントでもアインシュタインでも誰でもいいが,後世の人間は文献からあれこれ推測するしかない「偉人」達の記憶が,このような形で残されていたら,と想像してみてほしい。百年後,千年後の人々にとって,「輪郭」は古人について知る何よりの手がかりとなるだろう。あなたにとって偉人以上に大切な人生の記憶をこれほど強く世界に刻み込める道具は他にないのだ。
工学的に人間の知能を向上させようという研究分野は,古くから「知能増幅」(IA: intelligence amplification)と呼ばれている。今や世界的な流行語である「人工知能」(AI)に比べて,語られることは非常に少ない。脳にチップを埋め込む,遺伝子を書き換えるなど,どの技術にも大きな技術的・倫理的課題があり,実用段階になかったからだ。
デライトは,それを誰でも使えるメモサービスという形で実現している「知能増幅メモサービス」であり,「世界初の実用的な知能増幅技術」だ。今後の一日一文では,この技術の歴史的重要性についても書いていきたい。