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{ウェブ アプリケーション K#F85E/F724}

ワールド ワイド ウェブ(WWW)をプラットフォームとして動作するアプリケーションのこと。

WWW は「情報の表現と交換」を軸としたインターネットの中心的な技術であり,様々な企業によって権益が争われた結果,技術開発と標準化が急速に進んだ。

これにより,各種標準に従って HTMLCSSJavaScript などを出力し,ユーザーに最新のウェブ ブラウザーを使ってもらえば,ほとんどの OS で同様のサービスを提供できるようになった。

開発者側にとって最大の利点は,その敷居の低さである。

ウェブ アプリケーションは基本的に出力する HTML 等の文字列操作が主体となるため,複雑な統合開発環境ウィジェット ツールキットなどを用いた従来のアプリケーション開発よりずっと容易に視覚表現の豊かなアプリケーションを開発でき,プログラム言語の原理も理解しやすい。極端な話,Windows の「メモ帳」だけでもそれなりのプログラムが記述できる。

ブラウザーによる表示確認が多少面倒ではあるが,インストール先が特定のサーバーであるため,動作確認・デバッグの手間も比較的少なく済む。

そのため,プログラミング初級者向けの PHP といった言語も発達し,プログラミング学習に最適な分野でもある。企業にとっては,とても人材の確保しやすい分野である。

加えて,アプリケーションそのものの公開・更新のしやすさ(最新版を別途配布する必要がない),コンテンツの公開や共有などのネットワーク機能を実装する場合にそのまま WWW の仕組みを利用できる利便性から,200X年代後半には隆盛を極めた。

使用者側にとっては,インストールせず,端末を選ばずに使えることが主な利点である。

しかし,プログラムやデータが使用者の手元にない,ということはそのまま欠点にもなる。通信環境が必須であり,プログラムの好きなバージョンを選択することができない。使用者にとって,バージョンアップが「改悪」であることは少なくない。提供の継続・品質維持,データの安全性は提供者側に委ねられており,原則として保証はない。

第三者に提供されている場合はとても手軽に使える反面,自ら設置する場合には,サーバーの設定等,普通のアプリケーションをインストールするよりも知識と手間が必要になる。