18日から「知能増幅回帰」を新デライト市場戦略の標語として考えていたが,「回帰」という表現に違和感が拭えず,悶々としていた。そんな時ふと「解放」という表現を思いつき,ようやくしっくりきた。
これまでのデライトの経験を全て活かしつつ,知能増幅の封印を解いて前進し続けるという意識に「知能増幅解放」以上の表現はないだろう。
企業標語(コーポレート メッセージ)というのはとても奧が深く,色々ながめていると面白い。
個人的に,ロッテの「お口の恋人」とサントリーの「水と生きる」は企業標語の双璧だと思っている。簡潔でありながら,しっかりと企業の体を表わしていて,力強く,詩的な響きも良い。他に,日本郵政の「あたらしい ふつうをつくる。」や,大成建設の「地図に残る仕事。」も,素朴ながら意義深く,良い文句だと思う。洒落っ気がなく,やや堅く感じるのも,仕事柄もとめられる実直さの反映なのだろう。洒落っ気といえば,味の素の「あしたのもと AJINOMOTO」も語呂の良さでつい覚えてしまう秀逸な標語だったと思うが,これは2010年から使われていないようだ。
「水と生きる」は,コピーライターの古居利康氏の作だそうだが,ちょっと驚いたのは「お口の恋人」が一般公募で選ばれたということだ。それも,ザ・ドリフターズで知られる仲本工事氏のお母様の応募作品だそうだ。
こういう企業標語は,なんとなく簡単に作れそうだと思ってしまうが,造銘(ブランディング)活動にそれなりの予算をつけられるはずの大企業でも意外にパッとしないものが多い。ありきたりすぎたり,回りくどすぎたり,語呂が良くなかったりと,「ふつうをつくる」のがいかに難しいかということだろう。
ちなみに,希哲社の標語はというと,拙作「知から力を」で,ついでに希哲館の方は「知を千代に」だ。結局,駄洒落になってしまった。