ベタネタだらけなのに演出と柄工,俳優の力で全体的に素晴しい出来になっている。近年の韓国映画の水準の高さを象徴する一作。
ただ,やはり財産分与は描かないか,さりげなくするか,もう少しコメディらしくデフォルメする方が良かった。画竜点睛を欠くとはこのことか。
以前から評判を聞いてはいたが,昨日やっと2011年の韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を観た。
物語の発想はありふれていても,脚本・演出・俳優など映画としての諸要素の水準が高ければ面白い,ということがよく分かる作品だ。リチャード・サンダーソン『愛のファンタジー』の使い方も良い。最後のアノ展開はやはり失敗だと思うが,それでも総合的には傑作の部類だ。
いかにも女性向けの友情物語に見えるので,おそらく男性からはパッケージで敬遠されがちな作品だろう。私も強く勧められなければ観なかったと思う。この点は『SR サイタマノラッパー』並みだ。こればかりは想像でしかないが,もしかすると当事者として女性社会を知らない男性の方が,余計なノイズを感じずに楽しめるのかもしれない。
いずれにせよ,ハマる人には強烈にハマる作品なので一見することをお勧めする。