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{泥土の塔 K#F85E/4720}

「泥土の塔(muddy tower)」は,いわゆる「象牙の塔(ivory tower)」に対置して,これからの学問を担う機関にあるべき理念を表現した宇田川の造語。

世界には泥土に近い素材による建築手法があり,俗に「泥の建築」や「土の建築」等と呼ばれている。有名なものに「泥のモスク」等がある。これらは綺麗でもなく頻繁に人手によらなければ維持する事ができない。

純潔と不朽を象徴する「象牙」とは対極にあるが,その姿形には,維持する人間の努力や精神が偽りなく反映される。このことから,在野精神と崇高な理念の両立を,泥土から生まれ塔のように聳え立つ様に喩えている。

直接の関連こそないが,ヒンドゥー教や仏教の周辺には「泥水から生まれながら美しい花を咲かせる」という意味で,蓮華を尊ぶ文化がある。相通ずる発想といえるだろう。