「ポスト〜」というカタカナ英語をどう訳すか,というのは結構難しい問題なのだが,最近「没〜」と「脱〜」を組み合わせると割と妥当な語感に落ち着くことを発見した。あるものが没落していくような状況を表わす時には「没〜」,そのものから脱しようとする運動などを表わす時(ポスト〜イズム)には「脱〜」を使う。例えば,ポストモダンは「没近代」,ポストモダニズムは「脱近代」と訳せば割と直感的だ。と,ポスト・トゥルースを「没真実」と訳してみて再確認した。
相対主義的な旧現代思想に対し,新現代思想の基調となる「正対主義」の英訳語を〈resolutism〉に決めた。絶対主義(absolutism),相対主義(relativism),そして正対主義(resolutism)。弁証法だ。
「正対主義」(せいたいしゅぎ,英訳:〈resolutism〉)とは,宇田川の用語である。「正対」は「真正面から向かい合う事」を意味する日本語。
硬直しがちな絶対主義,それに対する逃避的態度になりがちな相対主義の対立を,「独立した立場を保ちながら既成の価値観とも対話・対峙し続ける」事で乗り越える態度を指す。
文化面では『「かぶき」から「くじき」へ』(#F85E/A-2905)と表現する事もある。
長らく直訳の〈confrontism〉を英訳語としていたが,希哲12年1月30日,新たに〈resolutism〉を採用。〈absolutism〉と〈relativism〉を連想しやすい語感でもあり,〈resolute〉には決意という意味が,同源の〈resolution〉には解決といった意味があり,弁証法的にも解釈出来る。