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{泥土貨幣 K#F85E/1997}

泥土貨幣」(muddy money,泥貨)は,宇田川が提案する通貨制度における貨幣観を表わす語。

貨幣の重要な役割の一つに,「愚かさや汚さの引き受け,封じ込め」があると考える。醜悪だからこその役割があるという,いわば「ブサかわ」な貨幣論である。

近年,情報技術の発達も手伝い様々な「賢く,人間にとっての価値を正しく表わせる指標」が模索されている。しかし,そういった考えには「物事はすべて数値的(一面的)な指標でその価値を計れる」という前提,ある種の信仰が潜んでいる。指標が指標である以上,常に捨象を伴うため完全である事はありえないが,それにとらわれた価値判断を行ってしまうという問題がある。

実際,SNS 上で表現されたポイントなど,粗雑なものでも人間は意外と本格的な感情移入をしてしまうものであり,この危険性は想像に難くない。

泥土貨幣の整備では,貨幣の機能はあくまでも単純化し,「愚かな貨幣」である事で必要以上に価値判断へ立ち入る事を防ぐ。その上で決済手段の効率化ほか諸々の利便性の向上など,流通面の改善に注力する。

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