static
コンピューター用語では,何らかの性質が変化しないことを指す。固定的,永続的といった意味を持つ。
今日は仕事でもない中途半端な用事で出掛ける必要があり,疲労の蓄積(特に脳疲労)も気になっていたため早めの休日にした。
早朝は雨だったようだが,出掛ける頃にはよく晴れて気持ちの良い天気だった。デライトの春,希哲館の春を予感させる陽気の中をぶらぶら歩き,散髪もして,非常に良い気分転換が出来た。
ぶらぶらしながら,希哲館事業の原点である「閃き」についてよく考えた。あの体験がなぜ輪郭法を生み出したのか,いまだに上手く言語化出来ていない。
閃きの瞬間,射雨が身体を伝わり,排水溝に流れていくのをじっと見つめていた時の感覚はいまでもよく憶えている。その直前,概念の塊が頭の周りに浮かんでいるような感覚もあった。これはデルンの用合いの原型になっている。
いま思えば,水が道を作って川となるように,絶え間なく続く流動が,静的な観念に通り道を作ったのかもしれない。それが脳内の信号の流れにも一致すれば輪郭法が出来るわけだ。
そこから瞬く間に「相通化技術」を中心とした希哲館事業の青写真が出来た。「流」は仏教的な「空」とプラグマティズムその他諸々を綜合したような概念となり,東西思想の統合を予期させた。人生観も世界観も,全てが一変した。
そんなことを考えていると,いま言う黄金循環すらあの時に見た排水溝が作る渦のように思えてくる。
実益から最も遠く,休日でもなければそう出来ない,しかし極めて意義深い考え事だった。デライトの成功,希哲館事業の成功も目前という時期だから尚更だ。