日本人と危機感

描主宇田川浩行K#F85E
上描き希哲13年(2019年)
06月08日 17:09
下描き希哲13年(2019年)
06月08日 17:06
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

日本人には危機感がない,とよく言われてきた。確かに私もそう思うことが多々あった。

特に日本の情技(IT)業界では,世界の最上位層から完全に引き離されているにもかかわらず,海外の流行を後追いしては振り回されるだけの業界人ばかりで,私にはそれが不思議だった。私自身は,希哲館事業の発足時点で「世界の頂点で戦える情技企業を作る」ということを当たり前に考えていた。

これは一つの分野での例だが,見聞きする限りどこも似たようなものなのだろう。日本がこのままでいいわけはないが,日本人はどう見てもやるべきことをやっていない。

だから,甘えるな,危機感を持て,と言いそうになるのだが,最近はそういう問題でもない気がしてきた。確かに日本人には危機感がないかもしれない。ただそれは余裕があってのことではない。もう危機感を持つ余裕すらないのではないか,と思う。

一人の一人の日本人を見れば,真面目で頑張り屋が多い。高齢の働き手は増えているし,過労に苦しむ若者も多い。国際的に見ればみんな働き過ぎと言われるくらい必死で働いていて,これ以上頑張れとも言えない。少なくとも私は,彼らに「甘え」を見出せるほど厳しい環境で生きてこなかった。

面白いことに,高度経済成長期平成バブルの頃のように希望と豊かさを享受していた時代,日本人の言説は自虐的だった。それが最近では,「日本凄い」と自賛するような言説が目立つようになった。これも一つの危険信号かもしれない。

日本が抱えている本当の問題は,「みんな必死で頑張っているのに一向に明るい未来が見えない」ということだ。努力の方向が間違っているのだ。だから,「危機感を持て」と煽ることよりも,新しい道標を作ることを考えたいと私は思う。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.01
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