尋常ではない脳爆発状態なので流石に脳疲労感がなくもなかったが,引き続き絶好調だった。
デライトのおかげで何とか理性を保っているものの,デライトがなければとっくに脳が蒸発しているのではないかとすら思う。これが知能増幅ということなのだろう。
Twitter では API 絡みの手溢れが起こっていたようで動揺が広がっている。イーロン・マスクによる Twitter 買収以後,混迷を深める一方だ。
急激な改良を続けるデライトと急激な改悪を続ける Twitter の交差点がイメージ出来るようになってきた。
輪郭一覧動的更新対応については一段落。
全知検索窓からの検索,新規描出,更新輪結で輪郭一覧を動的に更新出来るようになった。これまで通りの握接も出来る。請い手にとっても捌き手にとっても負荷軽減になり,全知検索の感触が非常に良くなった。Safari ではページ遷移の発生時に動き付けが止まるため余計かくかくした感触だったが,これも解消した。
デライトでは相振りとしての可使性,ウェブサイトとしての可接性を両立させた HPA(hybrid paging application)を目指してきたが,自動ページ展開機能に続いてこれで概ね理想に近い形になった。第二次用合い改良と新生全知検索整備の交差点でもあり,感慨深かった。
更新時の動き付けは多少工夫が必要だった。最初は,更新前の輪郭一覧を完全に溶暗させ,更新後の輪郭一覧を溶明させるという動き付けを試したが,ちかちかして良くなかった。opacity: 0.7
まで少し溶暗させて置換してから溶明させるようにしたら良い感じになった。新規描出で輪郭一覧の上部に移動する時はスムーススクロールが鬱陶しいのでこの時だけ無効化するようにした。これで概ね満足出来た。
ここで広告の動的挿入も必要になったため機能を整えた。これまで自動ページ展開部分には広告を付けていなかったが,これを機に奇数ページで広告が表示されるようにした。
希哲館が提唱・推進する日本の産業政策に「ジパング計画」がある。その最大の特徴は,人工知能や仮想通貨といった“流行”ではなく,「知能増幅」(IA: intelligence amplification)を中心に据えている点にある。
その目標は,知能増幅技術による知識産業革命を起こし,いわゆる GAFAM を大きく凌ぐ日本企業を創出,日本を世界史上最大の極大国に導くことだ。この日本を模体として,自由と知が共存する新しい国際秩序を創っていく。
この構想を可能にしたのは,言うまでもなく「世界初の実用的な知能増幅技術」であるデライト(デルン)だった。デライトは,いわゆるメモサービスから知能増幅サービス(知能増幅メモサービス)への発展が可能であることを理論化・実証した世界初の例でもある。
知能増幅という概念は昔からあるものだが,人工知能に比べ話題性に乏しかった理由は,実用化の目処が全く立っていないことにあった。例えば,脳にチップを埋め込むとか,遺伝子を弄るとか,現実には多くの人に受け入れられそうにない空想的な構想がほとんどだった。それを容易に触れられるものにした,という点に知能増幅技術としてのデライトの革新性がある。
昔,テッド・ネルソンという人が始めた「ザナドゥ計画」というものがある。世界で初めて「ハイパーテキスト」という概念を提示し,いま我々が使っているワールド ワイド ウェブの原型となった構想だ。
勘報機における情報の概念に革新をもたらそうとしながら頓挫した例として,ビル・ゲイツが提唱していた WinFS とともに私がよく挙げていたのがこのザナドゥ計画だった。デライトは,その志を継ぐものでもあった。
「ザナドゥ」というのは,本来はモンゴル帝国の上都のことだ。マルコ・ポーロが『東方見聞録』で広めてから,ヨーロッパでは「東洋の理想郷」に近い意味を持つようになった。
同じ『東方見聞録』に由来するのが,日本人にはお馴染みの「黄金の国ジパング」だ。当時の日本と思われる国が,金をよく産出するきらびやかな島国として伝えられた。これが「ジャパン」など外国語で日本を指す言葉の由来だとされている。
残念ながら,今の日本は知識産業で出遅れ,アメリカとの差は開く一方,中国にも追い抜かれ,“衰退途上”と言われる状況にある。
そんな日本を,古の伝説をなぞるように,「知の黄金郷」にしてみせようではないか。「ジパング計画」とは,日本の歴史と勘報の歴史の交差点に付けられた名前なのだ。