Org-Mode の組み込み LaTeX 和訳部分

描主宇田川浩行#F85E
下描き希哲6年(2012年)
07月05日 16:20
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール
    1. 11 組み込み LaTeX
    2. 11.1 数学記号
    3. 11.2 下付き文字と上付き文字
    4. 11.3 LaTeX 文
    5. 11.4 LaTeX 文の処理
    6. 11.5 CDLaTeX の数式入力への使用

    この描出は,2007年11月4日投稿の旧ブログ記事(付録)を再録したものです。長らく更新されていませんので,最新の情報は著者のページからお探し下さい。

    この文書は、Org-Mode バージョン 5.13e 向けに書かれた Org Mode Manual の一部を翻訳したものです。原文の著作権は © 2004, 2005, 2006, 2007 Free Software Foundation にあります。また、文章は「GNU フリー文書利用許諾契約書」に従い配布されています。

    11. 組み込み LaTeX

    プレーン・テキストは、大部分の書きものに十分利用できます。一つの例外は、数学記号や数式を必要とするような科学的な書きものです。LaTeX は学術的文書の組版に幅広く利用されています。Org-Mode はファイル中への LaTeX コード組み込みに対応しています。それは、多くの学術分野で LaTeX ソースコードが流通しており、HTML 向けの画像変換にも応用できるためです。

    11.1 数学記号

    LaTeX マクロで特殊な記号を挿入できます。例えば `\alpha' でギリシャ文字を表したり、`\to' で矢印を表すことが出来ます。どのマクロが利用できるか分からないときは、`\' と文字をタイプして、M-<TAB> を押すことで候補をみることが出来ます。LaTeX コードではなくても、Org-mode では以下のような、数式区切り文字で囲まれていない文も認めています。

    角はギリシャ文字 \alpha, \beta そして \gamma と書かれている。

    HTML エクスポート時 (HTML エクスポートを参照) には、これらの記号は HTML の構文に翻訳されます。最初の例では、それぞれ `&alpha;' と `&rarr;' となります。

    11.2 下付き文字と上付き文字

    LaTeX では、`^' と `_' は、上付き文字と下付き文字を示します。また、数式モードの区切り文字なしでも使われます。アスキー文字の可読性をよくしたいなら、複数文字を波括弧で囲む必要は (可能ですが) ありません。例えば:

     太陽の質量 M_sun = 1.989 x 10^30 kg . 太陽の半径 R_sun = 6.96 x 10^8 m.

    上付き、下付きと解釈されることを避けたい場合、`^' と `_' をバックスラッシュで `\^' や `\_' のようにします。

    HTML エクスポート時 (HTML エクスポートを参照) には、下付き文字と上付き文字は、それぞれ <sub> と <sup> のタグで囲まれます。

    11.3 LaTeX 文

    下付き・上付き文字の記号を使い、HTML は多少の数式を表現することは出来ます。更に複雑な表現には、数式処理プログラムの助けを借りる必要があります。この目的のため、Org-mode は任意の LaTeX 文を扱えるようになっています。LaTeX 文の変換結果を確認するためのコマンドが用意されており、HTML へのエクスポートでは全ての LaTeX 文を画像へ変換し、HTML 文書中に挿入します。この機能を働かせるためには、システムに LaTeX がインストールされている必要があります。また、こちら(http://sourceforge.net/projects/dvipng) で入手できる dvipng プログラムも必要になります。LaTeX 文の処理時に使われる LaTeX ヘッダ は変数 org-format-latex-header で設定することが出来ます。

    LaTeX 文には特殊な記述は全く必要ありません。下記の点で、LaTeX ソースコードと同等です。

    • 環境の全種類。但し、\begin 命令文は新しい行に置くこと、その前には空白以外置けません。
    • 通常の数式区切り文字中のテキスト。仕様の衝突を避けるために、単一の `$' の文字は、挟まれたテキストが、長くて二行の強制改行に収まっており、 `$' の文字との間に空白がなく、終わりの `$' の後に空白か句読点が続いている場合にのみ数式区切り文字として認識されます。他の区切り文字にはこのような制限はありません。不安であれば、行中の区切り文字には `\(...\)' を使って下さい。

    例:

    \beginequation % 任意の環境、

    x=\sqrtb % 表や図、等々

    \endequation

    もし $a^2=b$ そして \( b=2 \), ならば解は

    $$ a=+\sqrt2 $$ か \[ a=-\sqrt2 \] のいずれかである.

    もし区切り文字に使われる文字列が、他の目的で必要な場合、org-format-latex-options オプションで、LaTeX 処理させたくないものを解除することができます。

    11.4 LaTeX 文の処理

    LaTeX 文を処理し、タイプセット表現のプレビュー画像を生成することが出来ます。

    C-c C-x C-l
    カーソルが置かれた点の LaTeX 文のプレビュー画像を生成し、ソースコードと置き換えます。カーソルが LaTeX 文に置かれていない時は、現在のエントリ (二つの見出しの間) にある全ての LaTeX 文を処理します。一つの前置引数をつけて呼ばれた場合、サブツリーも全て処理します。二つの前置引数をつけて呼ばれた場合、もしくはカーソルが最初の見出しの前にある場合、バッファ全体を処理します。
    C-c C-c
    置き換えられたプレビュー画像を取り除きます。

    HTML エクスポート時 (HTML エクスポートを参照) には、全ての LaTeX 文は画像に変換され、文書中に挿入されます。下記の変数で可否を設定できます。

    (setq org-export-with-LaTeX-fragments t)

    11.5 CDLaTeX の数式入力への使用

    CDLaTeX モードはマイナーモードで、通常は AUCTeX のようなメジャー LaTeX モードと組み合わせて、環境や数式テンプレートの挿入を素早くするために使われます。Org-mode でも、cdlatex-mode のいくつかの機能を利用することが出来ます。cdlatex.el と texmathp.el を、http://www.astro.uva.nl/~dominik/Tools/cdlatexからインストールする必要があります (後者はAUCTeX に付属しています)。また、Org-mode 動作中に cdlatex-mode を直接使わず、Org-mode 向けの軽装版 org-cdlatex-mode を使用してください。カレントバッファで M-x org-cdlatex-mode として切りかえるか、全ての Org-mode ファイルで使うには、下記のようにして下さい。

    (add-hook 'org-mode-hook 'turn-on-org-cdlatex)

    このモードが有効にされた時、以下の機能が利用できます (更なる詳細は

    cdlatex-mode の資料を参照して下さい):

    • C-c で環境テンプレートを挿入できます。
    • LaTeX 文中にカーソルがある時、<TAB> キーはテンプレートを展開します。例えば、<TAB> キーは fr を \frac{{} に展開し、カーソルを一つ目の括弧内に移動します。もう一度 <TAB> を押すと、二つ目の括弧内に移動します。また、LaTeX 文の外では、<TAB> は行頭で省略された環境名を展開します。例えば、もし行頭に `equ' と書いて <TAB> を押すと、この省略名を equation 環境に展開します。全ての省略名の一覧を見たいときは、 M-x cdlatex-command-help と入力します。
    • _ と ^ を LaTeX 文中で入力すると、その文字と一組の括弧が挿入されます。<TAB> を押して括弧外に出たとき、もし括弧内に一つの文字かマクロしかなかった場合、括弧は削除されます (cdlatex-simplify-sub-super-scripts 変数の値による)
    • バッククォート ` を押すと、続く文字に従い数式マクロを挿入します。LaTeX 文の外でも同様です。バッククォートを押して 1.5 秒待つと、ヘルプ・ウィンドウが表示されます。
    • 普通のクォート ' は、続く文字によってカーソルの前にあるシンボルをアクセントかフォントで修飾します。バッククォートのあとで 1.5 秒待つと、ヘルプウィンドウが表示されます。文字修飾は LaTeX 文中のみで機能し、文の外では通常のクォートです。
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