描主 | 宇田川浩行#F85E |
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上描き | 希哲9年(2015年) 05月08日 01:29 |
下描き | 希哲9年(2015年) 05月07日 18:15 |
利承 | 希哲館普通利承(KUL) |
先日,カメラ(英語:camera)の訳語として「仮目」を考案した。読みは訓読みなら「かりめ」,現代的な音読みなら「かもく」あたりが適当だろうが,仮名(かな)のような例があるので「かめ」と読んでも不自然さはない。
英語でカメラを「キャム」(cam,カム)と略すことがあるし,日本でもデジタル カメラをデジカメと呼んだり,撮影現場のビデオ カメラを「1カメ」,「2カメ」などと呼んだりすることもあるので,どちらかといえば「かめ」と読むのが良さそうだ。
意味は読んで字のごとく「仮の目」であり,なかなか意味深だ。確かに,人間にとってカメラというのは仮の目なのかもしれない。最初,「仮眼」と書くことを思いついたのだが,すでにカメラ用語では「一眼」や「二眼」などとレンズを指して「眼」(がん)が使われているし,「目」の方が読みの音声的なまとまりが良い。また,「眼」は生物学・医学などで物を見るための具体的な機構を指して使われることが多く,「目」はより一般的・抽象的な意味で使われることが多い字だから,レンズ(眼)を含むカメラという道具の全体を指すには「仮目」の方が適当であると考えられる。
以上のような考察から,「仮目」はほぼ問題ない訳語といえるが,カメラ小僧を「仮目小僧」とすると明らかに妖怪的な語感になるのが玉に瑕だ。しかし,江戸っ子よろしく「仮目っ子」などと少し可愛い語感にすることでこの問題は回避出来るはずだ。
ちなみに,シャッター(英語:shutter)は「遮戸」(しゃと)と訳している。「カメラのシャッター」は「仮目の遮戸」だ。