commilitarism
相対的な軍事力に注目し,共武装化,共軍縮を世界規模で共同して行い,非武装に向かう。
また,大国よりも小国の方が軍事支援において優位になるため,国家の最小化を促進する。
明日にでも有事か,という北朝鮮危機に直面している今となってはやや遅きに失した感もあるが,私の政治学における重要概念の一つに「共武装」〔commilitarize〕がある。核武装を含む軍備にまつわる諸問題の解決策として有力視している手法だ。
共武装主義〔commilitarism〕は,非武装主義と異なり,各国における「健全な軍備の維持」を協調的に推進することで軍事力の差を埋め,結果として世界から暴力の脅威を取り除くことを目的とする。国家間に軍事力の差が無くなれば,協調的な軍縮も行いやすくなる。これを「共軍縮」と呼ぶ。ただし,この共武装は大量破壊兵器は一切使用せず,通常兵器のみによる必要がある。ここが頭の使いどころで,私はそのための戦略も同時に研究を進めている。
共武装主義の根底にあるのは「武道」と同じ考え方だ。健全な精神をもって武道をたしなむ人間は暴力をふるうためではなく,強い肉体によって他者の脅威に屈しない精神を得ようとしている。国家も同じで,国家が健全であるためには十分な自衛能力が必要だ。そうであれば,その強さを独占する必要は無く,みんなで共に強くなればいいわけだ。これに対して,「みんなで弱くなろう」というのが非武装主義だが,これは誰かが同調しないだけで簡単に破綻する考え方で,あまりにも無力だった。
例えば,日本のような軍国主義的敗戦国の軍備には常に批判が付きまとう。この結果として,アメリカへの軍事依存があり,いわゆる「対米従属」や基地問題といった複雑な問題を抱えている。これは独立した国家として健全な状態とは言えないが,独立自衛が可能なまでの軍備増強は国内外に「軍国主義の再来」という不安を与える。このジレンマを解決するために,共武装主義を宣言し,加盟国と均衡を計りながら軍備増強を推進していく。財源に関しては別で論じるが,財政面でも決して不可能なことではない。
これは北朝鮮問題に対しても有効な解決策となりうる。というのも,北朝鮮の体制が核兵器依存に陥いっているのは,通常兵器によって十分な軍事力を維持することが困難だからだ。北朝鮮はその軍事的脅威の大部分を核兵器に依っている。これはいわば,貧弱な人間が常に銃をちらつかせて周囲を威圧しているのと同じことだ。それを止めさせたければ,危険な兵器を手放しても自分を守れるという自信を与えるのが一番良い。
この共武装主義は,世界の安全保障を大きく前進させうる概念だという確信が私の中で深まっているが,現在の世界情勢をみるにやはり十分な速さで研究を進めてきたとは言えない。猛省しつつ完成を急ぎたい。