魅術ミュージックの発明

描主宇田川浩行#F85E
下描き希哲10年(2016年)
05月20日 13:23
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

ミュージアム〈museum〉ミュージック〈music〉ミュージカル〈musical〉ミュージシャン〈musician〉,また一説によればモザイク……これらの英単語は,ともにギリシャ神話に登場するムーサ(複数:ムーサイ)という女神たちに由来する。ムーサは英語名でミューズ〈Muse〉という。

ムーサは学芸の女神だが,特に感性に訴える舞踊音楽が重要視されていたようで,次第に音楽の象徴となっていく。ムーサたちの技芸をムーシケーというようになり,これが英語では「ミュージック」となる。また,ムーサを祀ったムセイオンが高度な学術機関として発展し,後にミュージアムと呼ばれる施設の由来となる。

日本語でも,このムーサに由来するカタカナ英語は多用されている。ミュージックには音楽,ミュージアムには博物館美術館といった訳語があるものの,ギリシャ的な文脈を表現出来ていないため,どうしても使いにくい場合がある。特に「ミュージカル」などは自然に訳しにくいし,「音楽家」の響きが重いため大衆音楽では「ミュージシャン」を使う,というようなことは多い。そこで,この文脈を一貫して捉え得る訳語を考えていた。

そして遂に,ムーシケーに対応する語として「魅術みじゅつ」を考え出した。

英語ではミュージックを魅術とし,ミュージアムを魅術館とする。古代のムセイオンは魅術院とでもしておく。演劇形式としてのミュージカルはミュージカル シアターの略だから,正式には魅術劇,略式で魅術でも良いとする。実用上は音楽そのものをミュージックと表現しなければならないことは少ないため混乱する心配は無いだろう。ミュージカル映画魅術映画ミュージカル曲魅術曲だ。ミュージシャンは魅術者を基本形として,魅術家魅術師などと言えるだろう。似た意味で使われる「アーティスト」はすでに表し手と訳している。

根本となるムーサ(ミューズ)は「魅神」としたいところだが,裁縫のミシンに聞こえてしまう。魅術神としておくか,そうでなければ魅了神といったところだろう。ちなみに,「モザイク」もムーサに由来しているのではないかという説がある。これが正しければ,モザイクは魅細工とでも表現出来そうだ。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.1号
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