最近の企業翻訳語

描主宇田川浩行#F85E
下描き希哲10年(2016年)
05月16日 19:46
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

主に企業活動に関わる翻訳を私は「企業翻訳」と呼び重視しているが,最近も面白い企業翻訳語がいくつか出来た。

まずスローガン〈slogan〉の訳「唱願(しょうがん)だ。スローガンとは,組織や運動を方向付けるための象徴的な文句のことだ。これを「願いを唱える」という意味で唱願とする。類義語標語モットーキャッチコピーコーポレート メッセージなどがあるが,一つづつ意味を明確化していくことで使い分けもしやすくなるだろう。ちなみに,キャッチコピーは既に「獲句(かっく)と訳している。

参派(さんぱ)というのもある。これはサード パーティ〈third party〉の訳語だ。直訳では「第三者団体」となるが,あまり使われない。カタカナ英語としては,すでに確立している生産者消費者間の関係に第三者的な立場で参入する生産者を指すことが多い。はじめ,これを「三派」と訳すことを思いついたが,「三つの派」と読めてしまうのが難点だった。そこで,漢数字における三の大字でもある参入の「」を使って参派とした。簡潔性・直感性・汎用性において良好な訳語だ。

これ以上によく出来たと思ったのが「触れ知らせ」だ。報道機関向けの発表を意味するプレス リリース〈press release〉の訳語だが,これは出来たとき自分で驚いた。「御触れ」などとも言うように,「触れ」という言葉には広く世間に知らせるという意味がある。つまり,プレス リリースなどという煩わしいカタカナ英語で日本人が言いたかったことは,まさに「触れ知らせ」なのだ。この種の訳語としては音声的にも奇跡的な再現度だ。

日本人はカタカナ語を無意識のうちに日本語の語感で使っているのではないか,と思えるほど似た音声で良い訳語が出来ることが多い。これは言語学的に追究していくと面白そうだ。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.1号
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