アセンブリ〈assembly〉は「集まり」を原義とし,機械等では「組み立て」の意でも使われる英語の名詞だ。
勘機(コンピューター)では,機械語相当の命令群を持つ論組言語を「アセンブリ言語」,アセンブリ言語から機械語への変換処理を動詞形で「アセンブル」〈assemble〉,アセンブルする論組(プログラム)を「アセンブラ」〈assembler〉という。この分野で単にアセンブリといった場合,アセンブリ言語を指すことが多い。
私はこの動詞形のアセンブルを「集め振る」と訳し,その連用形「集め振り」をアセンブリにあてることにした。日本語では動作を表わす名詞がその動作をするもの(英語でいう〈-er〉),という意味も兼ね備えることが多いため,英語におけるアセンブリ・アセンブラは集め振りの一語で表現出来る。多くの場合,「アセンブリ」はアセンブリ言語のくだけた形として使われているが,この際,アセンブリ言語は常に「集め振り言語」とし,動詞形のアセンブルは「集め振る」または「集め振りする」としておけば,残された「集め振り」は使い道として自然にアセンブラとなる。この方針で十分書き分け出来るだろう。
ちなみに「当て振り」という訳語も考えたのだが,ここは原義を尊重した。