LINE は有望か否か

描主宇田川浩行#F85E
下描き希哲10年(2016年)
05月03日 23:02
利承
ライセンス
希哲館普通利承(KULクール

日本発のサービスとしては近年稀な拡大を見せる「LINE」の LINE 株式会社上場を控えている。そこで,LINE および LINE 社の将来性について簡単に私見を述べたい。

結論から言えば,私はいまのところ LINE にさほど期待出来ない。理由は単純明快で,いわゆる「哲学」や備像ビジョン〉が見えないからだ。

LINE と言えば,よく普及率の高さが話題になる。用者ユーザー〉数の多さが喧伝される割に,人が LINE を使うことの必然性を説明出来ていないと感じるのだ。我々が mixi で体験したように,用者数というのは吹き飛ぶときは簡単に吹き飛ぶ。爆発的に増えた用者は,まさに爆発がしぼむように消えていくことが多い。LINE 社が説明すべきことは,この普及率を裏付ける LINE ならではの揺るぎない要素なのであって,普及率そのものではない。普及率が宣伝の前面に出てしまうということは,裏を返せばその内容にあまり自信がないのかとも思えてしまうわけだ。日本人は「皆が使っている」ということに弱いので,そこを突けばしばらくはバブル的に用者は膨らんでいくと思うが,弾けるときは一気に弾けるだろう。

初期の mixi と LINE には興味深い共通点がいくつかある。独創性に乏しく模倣性の強いサービスであること,日本国内で爆発的な普及率を誇ったこと,「足あと」や「既読」のように監視的な機能があること,mixi には Facebook,LINE には WhatsApp といった海外で主流の競合サービスが既に存在していること等だ。その普及要因も,何より連絡用に「皆が使っている」ことだった。この種のサービスは,海外の主流サービスが積極的に日本展開を計ってきたときに弱い。ちなみに,現在 WhatsApp は Facebook 傘下であり後ろ盾の強さは LINE の比ではない。

サービスの拡大と企業の拡大は別問題ながら紛らわしく,よく誤解されるのだが,LINE はまだ決して成功していない。LINE の収益も LINE 社の規模もまだまだ小さい。利害関係者は LINE を大成功したサービスとして上場前に期待感を煽っておきたいだろうが,それに振り回されるのは日本の IT 業界にとっても好ましいことではない。LINE というサービスの本質を冷静に見極めることが必要だ。

出力論組プログラム虎哲*イチ 1.1号
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