帝論,定論
フランス革命期,啓蒙主義者デステュット・ド・トラシーに始まる用語。俗に観念論・空論,つまり現実主義の対義語のような意味合いで使われる。これはナポレオン・ボナパルトとトラシーらの対立に由来する。
もとは「観念の起源を探究する学」の意。
宇田川訳は「為道論」。
「希求主義(questism)」や「希求主義者(questist)」は宇田川の造語である。「探求主義」とも言う。
隷従主義に対置される。例えるならば,奴隷が危険を顧みず脱走を計ろうとするのは希求主義であり,安全のために手枷を付けたままで暮らすのは隷従主義である。
人生を通じた希求(冒険的探求)に大きな価値を見出す精神的傾向,思想を指す。その一面は「合理的ロマン主義」とも「現実主義を内包した理想主義」とも表現できる。人生において唯一無二の使命や伴侶を激しく希求する一方で,冷徹な合理性を重んじる(感情は熱,理性は鉄)。
また,「友人は戦場で,恋人は街角で」というキャッチフレーズが象徴するように,人間関係に対しては極めてロマンチックな感性を持ち,箱庭恐怖症を患う傾向にある。その他,あらゆる面で非現代的,非日本的な精神性といえる。
その核心は,「希哲」や「希善」を内包する「希人」にある。